【改正税理法の重要ポイント】

平成14年4月1日施行された改正税理士法の主な改正点をまとめてみました。

1.出廷・陳述制度の創設
 税理士が、税務訴訟について、裁判所において、裁判所の許可なしに、補佐人として、
弁護士とともに出廷し、陳述できることとなりました。

 税務解釈に精通している税理士が出廷・陳述できることにより、税務訴訟における納
税者の権利・利益の救済につながると期待されます。

2.計算・審査事項等の書面添付制度の改正
 納税者が、所定の計算・審査事項等の書面および税理士の代理権限を証する書面を
添付した申告書を提出している場合には、税務調査の通知をする前に、税理士に対して
添付書面に記載した事項に関する意見を述べる機会を与えなければならないこととされ
ました。

3.税理法人制度の創設
 税理士は、二名以上の税理士を社員とする税理士法人を設立できることとなりました。

 また、税理士法人は支店の設置ができることとなりました。

 これにより、税理士業務の継続、納税者ニーズの多様化、税理士一個人の能力の限
界、事務所経営の拡大・安定化等の目的に資するものと期待されます。

4.報酬最高限度額規定の廃止
 税理士会会則への記載が法定されていた報酬最高限度額規定が、廃止されました。

 税理士は、自由競争の下で自ら知的労働に見合った適正な報酬額を決定し、顧客の
合意を得るための努力が、ますます必要になるでしょう。

5.広告規制の廃止
 税理士会会則から広告規制の規定が、例外を除き廃止されることとなりました。

 顧客の正しい選択、競争によるサービスの向上と価格の適正化等に資するものと期待
されます。

6.修士学位取得者の試験免除の改正
 税理士登録は、会計科目2科目および税法科目3科目の合格が、要件とされていま
す。

 これまでは、法律学または財政学の修士学位取得で税法科目試験が免除され、商学
の修士学位取得で会計科目試験され、結果として、無試験で税理士になれることが可能
でした。

 今回の改正で、修士学位取得者について、会計科目、税法科目それぞれ1科目の合
格が要件とされるとともに、修士学位の学問領域も税法に関する科目等および会計学
に属する科目等に改められました。

 税理士の資質向上に役立つものと期待されます。

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