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【ビジネスリーダーのための菜根譚講座 その十九】

 

1.才能をひけらかさない

『鷹の立つや睡(ねむ)るがごとく、虎の行くや病むに似たり。まさにこれ他の人を攫(つか)み人をかむ手段のところなり。ゆえに君主は、聡明は露(あらわ)さず、才華は逞(たくま)しくせざるを要して、わずかに肩鴻任鉅(けんこうにんきょ)の力量あり。』(前集二00)

 

(訳)のたたずんでいる姿は眠っているように見えるし、の歩いている姿はまるで病人のようである。だがそれは、人につかみかかり、かみつく手だてである。君子もまた、鷹や虎のように、やたら才知才能をひけらかしてはならない。それで初めて天下の大任を担うことができる。

 

 「能ある鷹は爪を隠す」ということわざもありますが、本当に立派な人は、自分の才能をひけらかしたりせずに、謙虚にふるまい、必要な時にその能力を発揮するのでしょう。

 才能を鼻にかけ傲慢な気持ちを持てば、他人から警戒されたり、敬遠されたり、尊敬されなくなり、いざというときに十分に能力が発揮できなくなったり、さらなる向上心を失うことにもなりかねません。

 リーダーたる者は、謙虚な姿勢で自らの才能を、社会のため、顧客のため、組織のため、仲間のため、そして自分のためにいかんなく発揮し、そのことで周囲の尊敬を集めることができるのでしょう。

 

2.一喜一憂しない

『払意(ふつい)を憂うなかれ。快心を喜ぶなかれ。久安を恃(たの)むなかれ。初難を憚(はばか)るなかれ。』(前集二0二)

 

(訳)思いどおりにならないからといって思い悩むな。思いどおりになるからといっていい気になるな。今の幸せがいつまでも続くと思うな。最初の困難にくじけて怖気つくな。

 

 ビジネスは、思いどおりにならないことの連続ですが、その度に落ち込んでいたのでは、一歩も前に進むことができないでしょう。特に新たな事業では、初期段階に困難に遭遇することが往々にしてありますが、粘り強く立ち向かわなければ、その困難打開することはできないでしょう。

 逆に、思いどおりに事が運んでいても、慢心が生じれば、状況が変化したときに、足元をすくわれることになるでしょう。上手くいっているときは、今の成功がいつまでも続くものと錯覚しがちですが、そうなれば、冷静に変化を認識し必要な対応をすることができなくなるでしょう。

 リーダーたる者は、良いことにも悪いことにも、一喜一憂して心を煩わすことなく、

不動の精神で冷静に対応する力を求められるのでしょう。

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