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【ビジネスリーダーのための菜根譚講座 その十四】

1.人の失敗には寛大に

『人の過誤はよろしく恕(ゆる)すべし、しかして己にありてはすなわち恕すべからず。己の困辱はまさに忍ぶべし、しかして人にありてはすなわち忍ぶべからず。』(前集一六八)

 

(訳)他人の過ちには寛大であれ。しかし、自分の過ちには厳しくなければならない。自分の苦しみは耐え忍べ。しかし、他人の苦しみは見逃してはならない。

 

 人間誰しも失敗するものです。他人が失敗したときに、その人を責め立てれば、その人は、責任追及を恐れて、失敗を隠したり、チャレンジしなくなったりするでしょう。リーダーたる者は、他人の失敗寛容な姿勢で、それを糧にするための適切な手助けを心がけるべきなのでしょう。

 一方、リーダーは、自分が失敗したときに、その失敗を潔く認め、失敗を繰り返さないよう反省をする姿勢を示せば、部下もリーダーを信用し協力を惜しまなくなり、リーダーが部下の規範となれるのでしょう。

 また、リーダーたる者は、自ら苦難に立ち向かう姿勢を持ちながらも、他人の苦難には敏感に気づいて、手をさしのべる優しさも兼ね備える必要があるでしょう。

 

2.地位より人格

『我貴くして人これを奉ずるは、この峩冠大帯(がかんだいたい)を奉ずるなり。我賤しくして人これを侮るは、この布衣(ふい)草履を侮るなり。しからばすなわち原(もと)我を奉ずるにあらず。我なんぞ喜びをなさん。原我を侮るにあらず。我なんぞ怒りをなさん。』(前集一七二)

 

(訳)高い地位にある時に人に敬われるのは、身につけた立派な冠や帯のおかげである。低い地位にある時に人に侮蔑されるのは、身につけた粗末なや草履のせいである。そうだとすれば、元々自分自身敬われているのではないのに、どうして喜んでいられようか。元々自分自身が侮蔑されているのではないのに、どうして腹を立てられようか。

 

 人は地位身なりで他人を判断しようとすることが往々にしてあります。たまたま、高い地位につき立派な身なりをすることができたからといって、その人の人格が立派であるとは限りません。逆にたまたま、低い地位にとどまり粗末な身なりをしているからといって、その人に人徳がないとも限りません。

 人生においてもビジネスにおいても、山あり谷あり、よい時もあれば、悪い時もあります。よい時は、その外見だけでちやほやされて、悪い時は、その外見だけで馬鹿にされたりします。

 そんな軽薄な他人評価に惑わされることなく、信念をもって正しい行動を積み重ねていく。それがリーダーの人格を磨き、周囲の人から心から信頼されることにつながるのでしょう。

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