〜第七の習慣「刃を研ぐ(バランスのとれた自己再新再生の原則)」〜
1.再新再生の四つの側面
第七の習慣は個人のPC(目標達成能力)です。それは、あなたの持つ自分自身という最も大切な資源を維持することであり、自分の中にある自然から授かった四つの側面(肉体、精神、知性、社会・情緒)のそれぞれを再新再生させることである。
刃を研ぐとは、この四つの側面を、定期的に、一貫して、賢明に、バランスよく、磨き、向上させることです。
2.肉体
肉体的側面で刃を研ぐことは、自分の身体を大切にすることである。バランスのとれた栄養のある食事をとり、十分な休養を心がけて、定期的に運動することです。
よい運動のプログラムとは、身体を、「持久力」「柔軟性」「強さ」という三つの側面で鍛えるものです。
肉体的側面の再新再生を図る目的は、仕事をし、環境に適応し、より人生を楽しむ能力を高めることである。それを実現する鍵は、定期的に適切な方法で運動することです。
3.精神
精神的側面を再新再生することは、人生に自己リーダーシップを発揮することです。この側面の再新再生は、第二の習慣(目的を持って始める)と非常に深く関係しています。
精神的側面とは、自分の核であり、中心であり、価値観に対して決意することです。これは極めて個人的な領域であり、かつ、人生において最も大切なものです。この側面で刃を研ぐことによって、自分を鼓舞し高める源を見出し、かつ、全人類の持つ普遍的な真理に深く結びつくことになる。
4.知性
継続的に自分の思考能力を磨き、それを高める活動、つまり、教育は、知的側面の再新再生にとって必要不可欠なものです。時によっては、学校や体系化された学習プログラムなど、外側から規制された訓練が必要な場合もありますが、主体的な人であれば、自分自身を教育するために、自ら様々な方法を見出すことができるでしょう。
定期的に優れた本を読むこと以上に、自分の精神を高め、養う方法はありません。そうした読書によって、かつて存在した偉人たちの思考や知識に接し、その足跡に触れることができるからです。
また、書くことも、知的側面で刃を研ぐ強力な方法のひとつです。自分の考え、経験、思いつき、学んだことなどを日記につけることは、知力の明瞭性、正確さなどを向上させます。また、手紙を書くことは、自分の考えを明確に伝え、論理を展開し、相手により深く理解してもらう表現力を高めます。
5.社会・情緒
肉体的、精神的、知性的側面が、第一(主体性を発揮する)、第二、第三(重要事項を優先する)の習慣と深く関わっているのに対して、社会・情緒的側面は、第四(Win−Winを考える)、第五(理解してから理解される)、第六(相乗効果を発揮する)の習慣と深く関わっています。それは、人間関係におけるリーダーシップ、感情移入のコミュニケーション、創造的な協力の原則に基づいているものです。
社会的側面と情緒的側面は、お互いに結びついているといえます。なぜなら、私たちの情緒的な側面は、基本的に他の人との関係によって育成され、表現されるものだからです。
第四、第五、第六の習慣を成功させるのは、知力より、主に情緒的側面であり、自分の内的安定性と自尊心です。この内的安定性は、自分の中から生まれるものです。つまり、自分の精神と心に深く根づいた正確なパラダイムと正しい原則に従って生活することから、もたらされるものです。インサイド・アウトの誠実・廉潔、自分の習慣と自分の最も深い価値観を一致させた生活から、もたらされるのです。
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