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【ドラッカーに学ぶ経営マネジメント part23】

〜「イノベーションと企業家精神」より、"予期せぬ成功と失敗(第一の機会)"〜

 

1.予期せぬ成功

 予期せぬ成功ほど、イノベーション機会となるものはない。これほどリスク小さく苦労の少ないイノベーションはない。

 マネジメントにとって、予期せぬ成功を認めることは容易ではない。勇気が要る。同時に現実に直視する姿勢と、間違っていたと率直に認めるだけの謙虚さがなければならない。予期せぬ成功をマネジメントが認めないのは、人間誰しも、長く続いてきたものが正常であって、永久に続くべきものと考えるからである。

 マネジメントは、自らの過誤を認め受け入れる能力に対しても報酬を支払われている。特にそれが機会に道を開くものであるとき、このことがいえる。

 

2.イノベーションへの要求

 予期せぬ成功は、自ら事業技術市場の定義について、いかなる変更が必要かを自らに問うことを強いる。それらの問いに答えたとき初めて、予期せぬ成功が最もリスクが小さく、しかも最も成果が大きいイノベーションの機会となってくれる。

 予期せぬ成功は機会である。しかしそれは要求でもある。マネジメントに対し、機会の大きさに見合う取り組み支援を要求する。

 

3.予期せぬ失敗

 予期せぬ失敗の多くは、単に計画や実施の段階における過失、貪欲、愚鈍、雷同、無能の結果である。だが慎重に計画し、設計し、実施したものが失敗したときには、失敗そのものが変化とともに機会の存在を教える。

 予期せぬ失敗が要求することは、トップマネジメント自身が外へ出て、よく見よく聞くことである。常にイノベーションの機会の兆候としてとらえなければならない。

 

4.分析と知覚の役割

 イノベーションとは組織的かつ体系的な仕事である。しかし、それは分析的であるとともに知覚的な仕事でもある。イノベーションを行おうとする者は、見聞きしたものを論理的かつ詳細に分析する必要がある。実験と評価を伴う緻密な分析基礎となるのは、変化機会現実、現実と認識のギャップなどに対する知覚である。

 

5.外部の予期せぬ変化

 外部予期せぬ変化イノベーション機会として利用し成功するための条件は、その機会が自らの事業知識能力に合致していることである。

 外部の予期せぬ変化といえども、既存能力新たな展開の機会としてとらえなければならない。自らの事業の性格を変えてはならない。

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