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【松下幸之助に学ぶ経営哲学】

〜その五 共存共栄〜

 

 松下幸之助は『実践経営哲学』の中で、企業共存共栄していくことの大切さを、次のように述べています。

 

・企業は社会公器である。したがって、企業は社会とともに発展していくので無ければならない。 

・自分の会社だけが、栄えるということは、一時的にはあり得ても、そういうものは長続きしない。

共存共栄ということでなくては、真の発展繁栄はあり得ない。それが自然の理であり、社会の理法なのである。自然も、人間社会も共存共栄が本来の姿なのである。

仕入先得意先需要者株主銀行地域社会など、多くの相手とさまざまなかたちで関係を保ちつつ、企業の経営が行われているわけである。そうした関係先の犠牲においてみずからの発展をはかるようなことは許されない。やはり、すべての関係先との共存共栄を考えていくことが大切であり、それが企業自体を長きにわたって発展させる唯一の道である。

仕入先に対しては先方の適正利益というものを十分考えることが大切だが、一方、得意先に対しても、必要な適正利益を取ってもらうようにする。同時に、需要者(エンドユーザー)にも、適正な価格で買ってもらえるように、商品政策、販売政策を考えていく。そのようにして、ともどもに適正利益を得つつ共存共栄していくことが大切である。

 

 企業は、顧客取引先従業員株主銀行地域社会、等々の様々な利害関係者との有機的な結びつきの中で存続しえるといえるでしょう。

 企業が自己の利益の最大化のみを目的とすれば、一時的には利益を得ることができても、長期的には利益を大きく損ねることになるでしょう。

 なぜなら、自己の利益のみを求めれば、利害関係者との間で利害対立が生じ、協力者たちの信用を失っていくことになるからです。

 企業が様々な利害関係者の協力を得るためには、それらの利害関係者の立場に立って相互利益を図らなければなりません。

 顧客には、適正価格で価値ある商品・サービスを提供する。取引先からは、適正価格で価値ある商品・サービスを購入する。従業員からは、生産的な仕事を引き出し、それに対して適切な報酬と労働環境を与える。銀行からは、必要範囲の資金提供を受け金利の支払いと元金の返済を確実にする。地域社会には、環境に配慮し、地域活性化に協力し、税を負担する。その他、あらゆる利害関係者共存共栄を図っていくことこそが、企業の長期的発展の唯一の道であると、松下幸之助は説いているのでしょう。

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