Business Forum Kobe 21
トップページ >経営 >松下幸之助に学ぶ経営哲学その四

【松下幸之助に学ぶ経営哲学】

〜その四 適正利益〜

 

 松下幸之助は『実践経営哲学』の中で、企業の利益のあり方について、次のように述べています。

 

・利益追求をもって企業の至上の目的と考えて、そのために本来使命を見忘れ、目的のためには手段を選ばないというような姿があれば、それは許されないことである。

 

・その事業を通じて社会貢献するという使命と適正な利益というものは決して相反するものではない。そうでなく、その使命を遂行し、社会に貢献した報酬として社会から与えられるのが適正利益だと考えられるのである。

 

・その企業が供給する物資なりサービスの中に含まれているそうした努力、奉仕が多ければ多いほど、需要者や、社会に対する貢献度合いも大きく、したがってまたその報酬としての利益も多いのが原則だといえる。

 

・企業は、どのような社会情勢の中にあっても、その本来の使命の遂行に誠実に努力していくと同時に、その活動の中から適正な利益を上げ、それを税金として国家社会還元していくことに努めなければならない。それは企業にとっての大きな責務だといえよう。

 

・企業がこの人間の共同生活の限りない生成発展に貢献していくためには、企業自体が絶えず生成発展していかなくてはならない。そのためには、研究開発なり設備投資の資金が必要となるが、自ら利益を蓄積することでその資金をつくる必要がある。

 

適正利潤の基準というものは、業種により、また企業自体の発展段階によっても異なってくるだろう。しかし、いずれにしても、国家、社会への税金、株主への配当、企業の使命達成のための蓄積という三つの観点からして適正な利益率というものが考えられようし、その適正利益を確保することは、企業にとって大きな社会的責任だということを明確に自覚しなくてはならない。

 

 松下幸之助は、企業が適正利益を上げることの大切さを説いています。

 企業の使命は、事業を通じて社会貢献することであり、その貢献に対する報酬利益であり、適正額の利益を上げることが事業継続のために欠かせないと、松下幸之助は考えていました。

 なぜなら、適正利益がないと税金を通じて社会還元ができませんし、出資者配当もできません。また、新たな研究開発設備投資人材投資もできません。そうなると、企業は継続発展できなくなり、社会的責任を果たすことができなくなるからです。

 企業の経営者には、自らの責任を果たすために正々堂々と適正利益を上げることが求められるのでしょう。

経営のトップページへ
トップページへ
Copyright (c) 2006 Business Forum Kobe21 All Rights Reserved.