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【松下幸之助に学ぶ経営哲学その一】

その一 逆境こそ成功のチャンス

 

 パナソニックを創業し一代で世界的なトップ企業に育て上げた松下幸之助は、自身の成功要因について次の三つを挙げています。

1.貧困であった

2.病弱であった

3.学歴がなかった

 

 松下幸之助は『人生心得帖』の中で、「家が貧しかったために、丁稚奉公に出されたけれど、そのおかげで幼いうちから商人としてのしつけを受け、世の辛酸を多少なりとも味わうことができた。生来体が弱かったがために、人に頼んで仕事をしてもらうことを覚えた。学歴がなかったので、常に人に教えを請うことができた。あるいは何度かの九死に一生を得た経験を通じて、自分の強運を信じることができた。こういうように、自分に与えられた運命をいわば積極的に受けとめ、それを知らず識らず前向きに生かしてきたからこそ、そこに一つのがひらけてきたとも考えられます。」と語っています。

 

 幼少期の頃から逆境の中で体験してきた多くの苦労を、自分を磨く好機と捉えて、努力を積み重ね、逆境を克服してきたことが、松下幸之助の成功要因となったのでしょう。そして、運命を受け入れる潔さと、どんなこともプラスに転換する前向きな姿勢を持ち続けたことで、逆境を克服することができたのでしょう。

 

 また、『道をひらく』の中で、「逆境−それはその人に与えられた尊い試練であり、この境涯にきたえられてきた人はまことに強靱である。古来、偉大なる人は、逆境にもまれながらも、不屈精神で生き抜いた経験を数多く持っている。」「逆境は尊い。しかしまた順境も尊い。要は逆境であれ、順境であれ、その与えられた境涯に素直に生きることである。謙虚の心を忘れぬことである。素直さを失ったとき、逆境は卑屈を生み、順境は自惚を生む。」と語っています。

 

 逆境という試練が人を鍛え、成功に必要な不屈精神を養ってくれるのでしょう。そして、どんな境遇に置かれても、なにものにもとらわれない素直な心謙虚な心をもって現実を受け入れ、前向きに誠実な努力を積み重ねていくことが、己のを切り拓くことにつながるのでしょう。

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