〜第三の習慣「重要事項を優先する(自己管理の原則)」〜
1.自由意志の力
自己管理という側面から考えてみれば、継続的な成功をもたらすのは、劇的で単発的な行動ではなく、私たちの日々の小さな選択において、自由意志の偉大な力を発揮し、成長を遂げていくことであります。
この自由意志の成長の度合いは、「誠実」さによってはかることができます。誠実さとは、言い換えれば自分自身におく価値のレベルといえます。自分の約束や決意を守る力であり、言行を一致させる力であります。誠実さは、人格主義の基礎的な原則であり、主体的な成長の本質であります。
成功者たちの共通点は、成功していない人たちの嫌がることを実行に移す習慣を身につけているということです。彼らにしてみても、必ずしも好きでそれを行っているわけではないのですが、自らの嫌だという感情をその目的意識の強さに服従させているのです。
そのために必要になるのが、マネジメント、つまり、自制する力であり、実行力なのです。
2.生き方を変える第二の領域
私たちの時間の過ごし方は、基本的に四つの領域に大別することができます。活動を定義する二つの軸は、緊急度と重要度です。
(1) 第二領域に集中する結果
・ビジョンを持つようになる
・生活のバランスがとれる
・健康になる
・人間関係が改善される
・危機が少なくなる
(2) 第一領域に集中する結果
・ストレスがたまる
・燃え尽き現象が起こる
・緊急な問題対応に追われる
(3) 第三領域に集中する結果
・短期的な視野になる
・八方美人に見られる
・目標や計画が意味なく感じる
・周りに振り回される
・人間関係が決裂することが多い
(4) 第四領域に集中する結果
・無責任な生き方になる
・重要なポストから外される
・他人や組織に依存しきった状態になる
3.ノーと言える喜び
最も優先すべきことが何なのか、しっかりと決めておかなければなりません。そして、気持ちよく、笑顔で、率直に、それ以外のことに対して「ノー」と言う勇気を持つ必要があるのです。ためらいなく、「ノー」と言えるようになる秘訣は、自分の中でもっと強い、燃えるような大きな「イエス」を持つことです。小事に振り回されてはなりません。「最良」の敵は「良い」なのです。
4.原則に忠実、スケジュールに柔軟
第一の習慣は「あなたはプログラマーだ」ということであり、第二の習慣は「プログラムを書く」という知的な第一の創造です。そして、第三の習慣は「プログラムを実行する」、あるいは「プログラムどおりに生きる」という物的な第二の創造のことです。
計画というプログラムを実行することは、主に自由意志、自制、誠実、決意の問題です。これは短期的な目標やスケジュールに対する決意ではなく、私たちの目標、スケジュール、ひいては私たちの人生そのものに意味を与える正しい原則と深い価値観に対する決意なのです。
5.デレゲーション
私たちが目標を達成するには二つの方法しかありません。時間を投入して自分で実行するか、ほかの人に任せるかのどちらかです。ほかの人に任せることをデレゲーションといいます。自分で時間を投入する場合は「能率」を考え、人に任せる場合は「効果」を考えるべきです。
ほかの人に効果的なデレゲーションを行うことは、最も効果的かつ波及効果の大きい活動です。 |