世界的名著であるスティーブン・R・コビーの「7つの習慣」が説く成功のための原則を紹介いたします。短期的な成功でなく、永続的な発展のために必要な本質的な哲学を、皆様の経営の一助にして頂ければ幸いです。
〜パラダイムと原則@〜
1.インサイド・アウト(内から外へ)
(1) 人格主義
7つの習慣は、効果的に生きるための基礎的な原則に基づいています。この7つの習慣は、人格主義に基づいた一次的(基本的)なものです。これらの習慣を身につけることは、永続的な幸福と成功を支える基本的な原則を自分の中に深く内面化させることです。
人格主義は人生を支配する原則が存在するという考えに基づいています。
公正・誠実・正直・人間の尊厳(平等・生命・自由・幸福の追求などの不可侵の権利)・奉仕・貢献・可能性・忍耐・犠牲・勇気といった原則です。
(2) パラダイムの転換
7つの習慣を理解するためには、自分の持つパラダイム(物事の基本的な見方や捉え方)を理解し、転換させる方法を知らなければなりません。
人は、物事をあるがままに、つまり客観的に見ていると思い込んでいますが、自分の知覚、自分のパラダイムを通して、主観的に物事を見ているのです。
パラダイムは世界観を作り出すレンズであり、非常に力強いものです。著しい変化をもたらすにはパラダイム転換の力が必要です。
(3) インサイド・アウト
7つの習慣は、原則を中心におき、人格に基づいた個人の成長、または、有意義な人間関係の育成についてのインサイド・アウトと呼ぶべきアプローチです。
インサイド・アウトとは、自分自身の内面(インサイド)を変えることから始めるということであり、自分自身の根本的なパラダイム、人格、動機などを変えることから始めるということです。
内面を改善することで、自分の行動も改善され、周囲に良い影響を与えることができるでしょう。
インサイド・アウトの考え方では、私的成功が公的成功に先立ちます。人格より個性を優先することは愚かなことであり、自分自身を改善せずに他人との関係を改善することは意味のないことだからです。
インサイド・アウトは人間の成長と発展を左右する自然の原則に基づいた、継続的な再新再生のプロセスです。上向きのらせん状に成長していく循環であり、次第に高まっていく責任感ある自立と効果的な相互依存に導くものです。
反対にアウトサイド・イン(外から内へ、つまり外部を変えることで自己実現する方法)のやり方の結果として見られるのは、被害者意識に悩み自由を拘束された不幸な人々であり、自分のうまくいかない状況を周りの人や環境に責任転嫁する人々です。
アウトサイド・インからインサイド・アウトへパラダイム転換することが7つの習慣を身につけるための大前提になるでしょう。
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