〜人に好かれる六原則A〜
2.笑顔を忘れない
「笑顔など見せる気にならないときは、どうすればよいか。むりにでも笑ってみることだ。幸福でたまらにようにふるまうのである。すると、本当に幸福な気持ちになるから不思議だ。」
「快活さを失った場合、それを取りもどす最善の方法は、いかにも快活そうにふるまい、快活そうにしゃべることだ。」
「世の中の人はみな幸福を求めているが、その幸福を必ず見つける方法がひとつある。それは、自分の気の持ち方を工夫することだ。幸福は外的な条件によって得られるものではなく、自分の気の持ち方ひとつで、どうにでもなる。幸不幸は、財産、地位、職業などで決まるものではない。何を幸福と考え、また不幸と考えるか−その考え方が、幸不幸の分かれ目なのである。」
「およそ、人は、幸福になろうとする決心の強さに応じて幸福になれるものだ。」
「ニューヨークのあるデパートが、クリスマスセールの期間中に次のような素朴な哲学を広告に出していた。
クリスマスの笑顔
元手がいらない。しかも、利益は莫大。
与えても減らず、与えられたものは豊かになる。
一瞬の間見せれば、その記憶は永久に続く。
どんな金持ちもこれなしでは暮らせない。どんな貧乏人もこれによって豊かになる。
家庭に幸福を、商売に善意をもたらす。
友情の合い言葉。
疲れた者にとっては休養、失意の人にとっては光明、悲しむ者にとっては太陽、悩める者にとっては自然の解毒剤となる。
買うことも、強要することも、借りることも盗むこともできない。無償で与えてはじめて値打ちが出る。
クリスマスセールで疲れ切った店員のうちに、これをお見せしない者がございました節は、恐れ入りますが、お客様の分をお見せ願いたいと存じます。笑顔を使い切った人間ほど、笑顔を必要とする者はございません。」
経営者は、生産性を上げるために、組織に厳しさや効率ばかりを求めてしまうことがよくあります。しかし、組織で働く人たちは、経営者も含めて、感情を持った生身の人間です。ドラッカーの言葉にもあるように、仕事が生産的に行われても、人が活き活きと働けなければ組織として失敗です。
従業員が活き活きと働くためには、まず、経営者が率先して活き活きと働くこと、そして、従業員が活き活きと働ける環境を整えることが大切でしょう。
人が活き活きと働くための環境作りに、笑顔は、身近ですぐにでも採り入れることができて、絶大な効果があるものといえるのではないでしょうか。
経営環境が厳しくなればなるほど、経営者は、笑顔の効用を忘れてしまいがちですが、本当は、厳しい時こそ、笑顔が必要なのではないでしょうか。
経営者が、どんな時も、気の持ち方を工夫して、笑顔を忘れずに、前向きに、プラス思考で、活き活きとふるまうことができれば、組織に好循環をもたらすことができるのではないでしょうか。
このことは顧客に対しても同様のことが言えるでしょう。ものが売れないからといって顧客の前でしかめっ面をしていれば、ますます売れなくなるでしょう。笑顔と真心をもって接客すれば、顧客の心も満たされ、商品やサービスの良さも伝わりやすくなり、顧客の購買意欲にもつながるのではないでしょうか。 |