〜「経営者の条件」より、"成果をあげる能力の修得"〜
1.成果をあげる
成果をあげることが経営者の仕事である。
知力や想像力や知識は、あくまでも基礎的な資質である。それらの資質を結果に結びつけるには、成果をあげるための能力が必要である。
2.組織の現実
組織で働く者にとって、時間は全て他人に取られてしまう現実がある。
経営者は、企業全体に責任を持つ者として、全体の方向づけに時間を使わなければならないにもかかわらず、日常業務に追われ続ける現実がある。
組織で働く者は、他の者が彼を利用してくれるときにのみ、成果をあげることができるという現実がある。
組織は一人一人の人の強みを発揮させるための仕組みである。
組織の中に成果は存在しない。全ての成果は外にある。顧客が製品やサービスを購入し、企業の努力とコストを収入と利益に変えてくれるからこそ、組織としての成果が上がる。
組織は社会の機関である。外の環境に対する貢献が目的である。
3.成果の改善方法
仕事と成果を大幅に改善する唯一の方法が、成果をあげる能力を向上させることである。
我々は、一つの重要な分野で強みをもつ人が、その強みをもとに仕事を行えるよう組織をつくることを学ばなければならない。仕事ぶりの向上は、人間の能力の飛躍ではなく、仕事の方法の改善によって図らなければならない。
4.能力の修得
成果をあげるために身につけておくべき習慣的な能力は五つある。
@ 何に自分の時間がとられているかを知ることである。
A 外の世界に対する貢献に焦点を合わせることである。
B 強みを基盤にすることである。
C 優れた仕事が際立った成果をあげる領域に力を集中することである。
D 成果をあげるよう意思決定を行うことである。