〜人を動かす三原則B〜
3.人の立場に身を置く
「人を動かす唯一の方法は、その人の好むものを問題にしそれを手に入れる方法を教えてやることだ。」
「人間の行動は、心の中の欲求から生まれる。だから、人を動かす最善の方法は、まず相手の心の中に強い欲求を起こさせることである。商売においても、家庭、学校においても、あるいは政治においても、人を動かそうとするものはこのことをよく覚えておく必要がある。これをやれる人は、万人の支持を得ることに成功し、やれない人は、ひとりの支持者を得ることにも失敗する。」
「人を説得して何かやらせようと思えば、口を開く前にまず自分にた尋ねてみることだ。「どうすれば、そうしたくなる気持ちを相手に起こさせることができるか?」これをやれば、自分勝手な無駄口を相手に聞かせずにすむはずだ。」
「成功に秘訣というものがあるとすれば、それは、他人の立場を理解し、自分の立場と同時に、他人の立場からも物事を見ることのできる能力である。」
経営者が、権力を振りかざして、自分の都合や会社の都合通りに従業員を働かそうとしても、従業員は表面上は従順に働いているように見せかけるでしょうが、心から喜んで働くことはないでしょう。
従業員が、会社のために自ら進んで生産的な働きが出来てこそ、会社は利益を出し、発展することが出来るのでしょう。
ところが、従業員は、燃料を与えればプログラム通りに動く機械ではなく、生身の人間です。人間は、なにがしかの欲求に従って行動します。ですから、従業員を動かすためには、従業員の欲求を理解することが、経営者には要求されるのでしょう。
経営者は、従業員が思い通りに働かないと、その原因を従業員の能力やモラルの欠如に求めてしまうことがよくあります。経営者が従業員に対し、声高にスローガンを叫び、ことある毎に説教をたれて、従業員の非を悟らせようとすればするほど、従業員は自尊心を傷つけられて、ますます反発するでしょう。
経営者が従業員の立場を理解し、従業員の立場から物事を見て、どのようにすれば、従業員が会社の期待する働きが出来るようになるのかを考え、従業員の欲求に合致した動機づけを与えることが出来れば、経営者は、従業員を会社の方針通りに動かすことができるようになるのでしょう。