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【ビジネスリーダーのための論語講座 Part10】
〜「論語と算盤」より”立志と学問”〜
 U.立志学問
1.精神老衰の予防法
 文明の老人であるためには、たとえ身体衰退しても、精神衰退しないようにしたいものです。精神が衰退しないようにするためには、学問による外はありません。常に学問を進めて時代後れない人であるならば、いつまでも精神老衰ということはないと思います。
2.現在に働け
物質的文明が進んだ結果、精神進歩したと思いますが、常に精神向上とともに進めることが必要であります。
 現在において正しいことを行えば、人として立派なものと信じています。
3.維新覚悟
 青年時代に正義のため失敗を恐れているようでは、到底見込のない者で、自分が正義と信じる限りは、あくまで進取的剛健なる行為を取って欲しいものです。正義の観念をもって進み、岩をも徹(とお)す鉄石心を傾倒すれば、なさざることなし、という意気込みで進まなければなりません。
4.自ら箸を取れ
 何か一つの仕事をしようとする者は、自ら箸を取らなければ駄目であります。
 およそどんな些細仕事でも、それは大きな仕事一小部分で、これが満足にできなければ、仕事が完成できなくなります。
小事粗末にするような粗大な人では、所詮大事成功させることはできません。
与えられた仕事に、その時全生命をかけて真面目にやれない者は、巧妙利達の運を開くことはできません。
5.大立志小立志
 今日のように世の中が秩序立って来れば、ひとたび立てた立志中途から他に転じることがあっては、非常に不利益が伴うので、立志の当初は最も慎重に熟考する必要があります。その工夫としては、まず自己の頭脳冷静にし、その後、自分の長所短所を精細に比較考察し、最も長所であると思われる事に向かってを定めるのが良いでしょう。
根幹となるべき大立志が立ったなら、次は、その枝葉となるべき小立志について、日々工夫する事が必要です。誰でもその時々に事物に接して起こる希望を遂げたいと志す事が小立志であります。小立志は常に変動遷移するものなので、これにより大立志を動かすことのないよう、常に大立志と小立志が調和し一致することが必要です。
6.学問社会
学問社会との関係は、地図を見る時と実地を歩行する時のようなものです。
社会事物複雑なことを前もって十分に会得して、どんなに用意していても、実際には意外なことが多いものであるから、一層の注意を払って研究しておかなければなりません。
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