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【孫子の兵法に学ぶ経営戦略 Part11】
〜九地編より〜
『敵衆整いて来たらんとす。これを待つこといかん。曰く、先ずその愛するところを奪わば、すなわち聴かん。』
(訳)敵が万全の態勢を整えて攻めてきたら、どう迎え撃つべきか。その時は、敵が最も重要視している所を奪えば、主導権を握ることができる。
ライバル企業攻勢にあったときはどうすべきか。その時は、ライバル企業が最も重要視している商品地域顧客層シェアを奪うことである。そうすれば主導権を奪い返すことができる。
『兵士、甚だ陥れば、すなわち懼(おそ)れず。往く所なければ、すなわち固く、深く入れば、すなわち拘(こう)し、やむを得ざれば、すなわち闘う。』
(訳)兵士は、甚だしい窮地に立たされると、かえって恐怖を忘れる。逃げ道がなくなると、覚悟を固め、敵の領内深く入り込むと、一致団結し、どうしようもない状況になると、必死に戦うことができる。
経営者社員成長させ、事業に貢献させるためには、時として逆境に立ち向かわせる状況に置いてやる必要がある。そうすることで、覚悟闘争心団結心を育むことができる。
『呉人と越人と相悪(にく)むも、その舟を同じくして済(わた)り、風に遇うに当たりては、その相救うや左右の手のごとし。勇を斉(ととの)えて一のごとくするは政の道なり。剛柔皆得るは地の理なり。故に善く兵を用うる者は、手を携えて一人を使うがごとし。やむを得ざらしむればなり。』
(訳)呉人と越人は憎み合っているが、たまたま同じ舟に乗り合わせ、暴風にあって舟が危ないとなれば、左右の手のようにお互い助け合う。勇気を出して一致団結させるのは政治的指導力が必要である。強い者も弱い者も力を発揮するためには、地の利を得なければならない。戦上手は、一人を動かすように全軍を動かす。それは、そうせざるを得ないように仕向けるからである。
 普段の悪い社員同士でも助け合わないと自分が生き残れないとなると、助け合うようになる。勇気を出して団結成果を出させるためには、経営者指導力状況判断が必要である。優秀な経営者は、社員が団結せざるを得ない状況をつくることができる。
『将軍の事は静をもって幽、正をもって治まる。』
(訳)将軍は平静を保ち、心の奥を悟られないようにし、公正に対処することで軍を統治できる。
経営者冷静沈着意思決定を行い、公明世代行動すれば、求心力を得て、企業を統治することができる。

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