1.組織構造
組織構造は組織が目的を達成するための手段である。組織構造に取り組むには、目的と戦略から考えなければならない。戦略とは、「われわれの事業は何か、何になるか、何であるべきか」との問いへの答えである。戦略が組織の基本活動を決める。
優れた組織とは、基本活動が成果をあげる構造にほかならない。組織の中の人間が成果をあげ貢献できるようにする組織構造は、すべて正しい答えである。成果こそ組織の目標であり、その良否の判断基準である。
2.組織の階層
階層はあらゆる組織に必要である。最終決定を下すことができる者がいなければならない。
組織の原則は、階層の数を少なくし指揮系統を短くすることでなければならない。階層の増加は、組織内の相互理解と協同歩調を困難にする。目標を混乱させ、間違った方向に注意を向けさせる。
3.組織の条件
いかなる組織構造であっても、組織として最小限持たなければならない条件がある。
@明快さ、A経済性、B方向づけの容易さ、C理解の容易さ、D意思決定の容易さ、E安定性と適応性、F永続性と新陳代謝である。
4.分権組織
分権組織によって、組織はいくつかの自立した部門に分割できる。それらの自立した部門は、それぞれの業績と組織全体への貢献に責任を持つ。それぞれが独自のマネジメントを持つ。
分権組織は成果からスタートする。成果をあげる上で最適な事業部門をつくる。しかる後に、その事業部門の内部にいかなる仕事、課題、活動が必要かを考える。
分権組織の最大の利点は、明日を担うマネジャーの育成にある。
分権組織といえども、各事業部門の内部は、職能別組織によって組織される。チーム型組織も、職能別組織を補完するものとして適用される。
5.職能別組織とチーム型組織
職能別組織とチーム型組織は、仕事を中心に組み立てられる。
職能別組織においては、仕事の段階や技能の間を人は動かず仕事が動く。これに対し、チーム型組織では仕事が固定される。各種の技能と道具を持つ者が、一つのチームとして仕事や課題を遂行する。