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【ビジネスリーダーのための論語講座 Part7】
〜リーダーが持つべき"知"について(2)〜

『その知は及ぶべきなり、その愚は及ぶべからざるなり。』
(訳)知識や才能は追いつくことはできるが、知識や才能を隠すのは容易なことではない。
知識技能は、相当程度の努力訓練追いつくこともできるでしょうけれど、自分の知識や技能をひけらかさずに、時として無能なふりをするのは容易(たやす)いことではないでしょう。
 「能ある鷹は爪を隠す」と諺にありますが、一流の人は、ここ一番で能力を発揮するために、普段は能力をひけらかさないのでしょう。また、「出る杭は打たれる」という諺もありますが、有頂天になって自分の能力をひけらかせば、周囲から憎まれ、邪魔されることもあるでしょう。
リーダーとって、知識や技能は大切ですが、それ以上に大切なのは、知識や技能を実際に活かせる場所とタイミングを見極める判断力と、そのために平素は自分を抑えて陰で自己研鑽する自己管理能力なのでしょう。
『人の己を知らざることを患(うれ)えず、人を知らざるを患う。』
(訳)自分が他人に認められないことに不満を抱かずに、自分が他人を正しく理解しているかを心配すべきである。
人は、自分には甘く、人には厳しく評価してしまうものなのでしょう。
 しかし、リーダーたる者は、まず部下を一人一人正しく理解し、組織に貢献できるように導くことに努めるべきでしょう。そうすれば、部下から認められ、組織に求心力が生まれるでしょう。
また、顧客対しても、自分たちの商品・サービスがこんなに良いものなのに理解されていないと嘆くより、もっともっと顧客のニーズ理解することに努めるべきでしょう。そうすれば、顧客にとってなくてはならない商品・サービスを提供することも可能になるのでしょう。
『知者は惑わず。』
(訳)本当の知者はあれこれ迷うことなく判断できる。
知識を持っているだけなら何の価値もないでしょう。実生活判断迫られた時に、その知識を活用して正しく判断できてこそ、知識に価値が生まれるのでしょう。
リーダーに求められるのは、必要な知識を習得し、自らの経験というフィルターを通して判断力に換えるノウハウをもつことなのでしょう。
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