『これを知るをこれを知るとなし、知らざるを知らずとなす。これ知るなり。』
(訳)知っていることを知っているとし、知らないことは知らないとする、つまり、知っていることと知らないことの区別をすることが、知るということである。
知識情報社会において有益な知識や情報がビジネスの価値を決定すると言っても過言ではないでしょう。知識や情報をよく理解もせずにいい加減に使えば、価値を生まないばかりか、信用を損なうことにもなりかねません。自己に必要な知識・情報はなにか、それを会得し活用できているのか、どのようにすれば会得し活用できるのかを問いかけることが、真に知るための第一歩となるのでしょう。
『故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る。』
(訳)歴史や先人の知恵を探求すれば、今に活かせる新しい知恵知識の発見がある。
人間は経験を重ねることで知恵知識を広げ、かつ、人格を成長させる事が出来ますが、所詮、人一人が経験できることには限界がある上に、多くの歳月を要することとなります。しかし、現代のように経済環境が猛スピードで変化する時代においては、なおさら、知識の吸収スピードが求められるでしょう。
歴史や先人の教訓に学ぶこと、先輩たちの成功体験や失敗体験に学ぶことにより、自分では経験しえない無限の経験を知恵知識として吸収することができます。しかも、その知恵知識には、幾多の荒波を乗り越えてきた信頼性、客観性、本質性が備わっています。
本質的であるからこそ、いつの時代にも普遍的に活用でき、応用もできるのです。「故きを温ねて新しきを知る」とは、歴史を探究して、未来を切り開く本質的な知恵知識を発見することといえるでしょう。
『これを知る者は、これを好む者にしかず、これを好む者は、これを楽しむ者にしかず。』
(訳)これを知る者は、これを好む者に及ばないし、これを好む者は、これを楽しむ者に及ばない。
「好きこそものの上手なれ」とよく言われるように、単に知ってする仕事は、好きでする仕事には到底敵わないでしょう。されに言えば、好きでする仕事も、楽しんでする仕事には敵わないでしょう。
好きな仕事を楽しんでやれれば最高なのでしょうが、そんなチャンスはそう簡単には得られないでしょう。今の仕事を好きになる努力をする、今の仕事を楽しむ努力をすることが、仕事に必要な知恵知識を自分のものとし、ビジネス力を向上させるために重要なこととなるでしょう。