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【ビジネスリーダーのための論語講座 Part2】
〜リーダーが持つべき”仁”について〜
『よく五つのものを天下に行う者を仁となす。恭・寛・信・敏・恵それなり。恭ならばすなわち侮られず、寛ならばすなわち衆を得、信ならばすなわち人任じ、敏ならばすなわち功あり、恵ならばすなわち人を使うに足る。』
(訳)五つの徳を政治に生かすことができる者は仁があると言える。恭・寛・信・敏・恵がそれである。
 人をうやまう心があれば、侮られることはなく、寛大な心があれば、人望が集まり、信用があれば、人から任され、迅速に行動できれば、功績を上げることができ、人に恵みを与えられれば、人を動かすことができる。
五つの徳を活かすことができる者は仁のあるビジネスリーダーとして人々の尊敬を集めることができるでしょう。
 五つの徳とは恭・寛・信・敏・恵のことです。
、すなわち相手をうやまい謙虚に行動すれば、相手から軽視されることはないでしょう。
、すなわち寛大な心があれば、部下からも取引先からも人望が集まるでしょう。
、すなわち信用・信頼があれば、上司からも顧客からも大事な仕事を任されるでしょう。
、すなわち臨機応変迅速な行動ができれば、功績を上げることができるでしょう。
、すなわち部下の功労に報いる報酬や地位を与えれば、部下を動かすことができ、顧客に満足なサービスを与えれば、顧客の更なる購買や、新しい顧客の紹介につなげることもできるでしょう。
『仁者は難(かた)きを先にし獲(う)るを後にす。』
(訳)仁のある者は自分の利益を後回しにして、困難の仕事でも率先して行う。
 ビジネスにおいて利益を得ることは、企業が存続するために必要なことであります。
 しかし、目先の利益だけを追い求めて、利益のためなら事実も曲げる、利益にならない仕事はしない、顧客のために面倒な手間をかけない、といった姿勢でビジネスに臨めば、信用を得られず、結局利益につながりません。
 仁のあるビジネスリーダーとは、困難を伴っても、まず、信用を得るために率先して行動し、結果として利益につながるビジネスの仕組みを作ることができる人を言うのでしょう。

『己の欲せざるところは、人に施すことなかれ。邦(くに)に在りても怨(うら)みなく、家に在りても怨みなし。』
(訳)自分がして欲しくないことは、人にもしてはいけない。そうすれば、公の場でも私生活でも怨みを買うことはない。
 自分がして欲しくないことは、相手にもしてはいけない
 ビジネスの現場では、株主、上司、部下、顧客、取引先、銀行等々、多くの利害関係者との利害調整を上手にすることがビジネスの成功につながります。絶えず利害関係者の立場に立って行動すれば、円満な関係を築くことができ、企業の繁栄につながります。
 自分の欲しくないものを顧客に買わしていないか、自分なら耐えられない労働環境に部下を置いていないか、とうてい利益が出そうにない価格で仕入先から購買をしていないか、自分ならこんな企業には投資したくないと思える程に自分の会社の企業価値を下げてはいないか等々、様々な利害関係者の立場に立って考え行動することがビジネスリーダーに必要な仁と言えるでしょう。
『仁者は己立たんと欲して人を立て、己達(たつ)せんと欲して人を達す。』
(訳)仁のある者は自分を立てて欲しいと思うなら、まず、人を立てることをし、自分が達成したいと思うなら、まず、人に達成させることをする。
 仁のあるビジネスリーダーは、部下引き立てることで、自分を立てることができ、顧客の目的を達成することで、自分の目的を達成することができるでしょう。
『人の過つや各々その党(たぐい)においてす。過ちを観ればここに仁を知る。』
(訳)人が過ちを犯すときは、その人らしい過ちを犯す。過ちを観れば、その人に仁があるかどうかを知ることができる。
 ビジネスにおいて失敗はつきものであります。人が失敗をするときは、その人らしい失敗とその人らしい対応をするものです。
 その失敗対応を観れば、その人が仁のあるビジネスリーダーであるかどうかが分かるでしょう。
 失敗した時に、慌てて冷静な行動がとれない、言い訳をする、責任転嫁をする、反省しない、といった人はビジネスリーダーとして相応しくないでしょう。
 失敗した時に、冷静適切な行動がとれる、誠実責任を取れる、失敗を糧にして再発防止に努めることができる、といった人は仁のあるビジネスリーダーといえるでしょう。
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