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ビジネスリーダーのための『論語』講座
〜プロローグ〜
 
 船場吉兆、NOVA、赤福餅、ミートホープ、コムスン、不二家、ライブドア等々、最近の度重なる企業不祥事の報道を見るにつけ、日本資本主義の父といわれる渋沢栄一の「論語算盤(そろばん)の上に置く」という言葉を思い起こしてしまいます。
 利益より先にまず倫理、社会的使命を優先させる事が返って企業を永続させることに繋がると考える企業理念は、今の経営者が学ぶべき最も大事なことではないでしょうか。
 その算盤の上に置く『論語』とは、言わずと知れた中国古代の思想家で儒教の祖である孔子の教えが書かれた文献であります。
 古来から日本人の道徳観にも多大な影響を与えてきました。「和をもって貴(たつと)しとなす」、「和して同せず」、「己の欲せざる所、人に施(ほどこ)すことなかれ」、「四十にして惑わず」、「故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る」などなど、聞き馴染みのある格言も多くあります。
 渋沢栄一が信奉するように『論語』には、企業の経営者が組織を作っていくために大切な道理がたくさん詰まっていると思います。
 例えば、「徳は孤(こ)ならず、必ず隣(となり)あり」という言葉があります。「のある人は決して孤立せず、必ず協力してくれる仲間が集まるものだ」という意味です。
 組織のリーダーとして、なによりも大切なものがこの徳ではないでしょうか。
 では、徳とは一体なになのでしょうか。『論語』では、五常と呼ばれる五つの徳目についてよく語られています。すなわち、仁・義・礼・知・信です。
 「仁」とは人を思いやること。
 「義」とは道義を通すこと。
 「礼」とは礼を尽くすこと。
 「知」とは知恵を磨き正しい判断をすること。
 「信」とは人を信用し人から信用されることをいいます。
 経営者にこの五常が備わっていれば、冒頭の企業不祥事も起こりえなかったのではないでしょうか。 
 次回からは、『論語』の珠玉の言葉を、テーマ毎にピックアップして解説していきたいと思います。
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