|
去る1月27日に、上野動物園の双子のジャイアントパンダ「シャオシャオ」と「レイレイ」の2頭が中国に返還されました。1972年にパンダが初来日して以来、初めて国内にパンダがいなくなりました。
かつてパンダは中国からの贈与でしたが、ワシントン条約により絶滅危惧種のパンダが保護対象となり、繁殖・研究を目的とする貸与となりました。今回の返還は貸与期間満了(令和8年2月20日期限)によるものとされています。
近現代の歴史の中で、中国はいわゆる「パンダ外交」でパンダを政治に利用してきましたが、1972年に日中国交正常化に際し、上野に「カンカン」と「ランラン」がやってきて、日本でもパンダブームが巻き起こりました。パンダは歴史の節目で友好関係の象徴として使われてきました。パンダ人気は経済波及効果が大きいこともあって多くの国が希望するため、それを逆手にとって中国はパンダを外交カードの一つに利用してきたのでしょう。
その愛くるしい容姿とおだやかな性格で長く日本人に愛され続けたパンダが日本にいなくなるのは、とても残念です。しかし、いなくなったことを嘆いてもなにも始まりません。パンダ以外でも人々を魅了する生き物は無数に存在します。失ったものに執着するより、あるものに着目し、その存在の尊さに気づくことの方がはるかに建設的でしょう。
パンダ返還を機に、政治に左右されることもなく、長い行列に並ぶ必要もなく、身近にいる生きとし生けるものを愛おしむ心が、人々の間にこれまで以上に育まれ、平和な社会につながることを願ってやみません。
2026.02.01
|