拝啓 時下ますますご健勝のことと、お喜び申し上げます。
愛知県豊明市でスマートフォン(スマホ)の利用時間の目安を1日2時間以内とする条例が、9月22日の市議会で成立しました。時間を明示した「スマホ条例」は全国初のようです。条例は、全住民を対象として、仕事や家事、学習などを除いてスマホやゲーム機器などの使用時間の目安を示す内容で、義務や罰則はないようです。
海外ではSNSの使用を禁止する動きも広がっていますが、デジタル化が急速に進む社会の中でスマホとどう向き合うか、日本でも議論が進みそうです。
スマホの長時間使用に伴う悪影響が、子どもだけでなく幅広い年齢層の健康面のみならず、家族同士の会話がなくなるなど家庭環境にも及んでいることが指摘され、特に子どもの健全な育成を阻害することが懸念されています。
この条例に対して、「自由の侵害である」とする反対意見が多く見受けられます。では、そもそも自由とはいったい何でしょうか。行動の自由と言うときは、他者の支配を受けずに自らの明確な意思で選択し行動することを指します。
スマホ依存で長時間スマホを使用している人は、自らの明確な意思で選択しているのではなく、スマホの背後にある何かに操られて、それに抗えずにスマホを使用しているのではないでしょうか。だとすれば、それは自由でないばかりでなく、逆に、自由を奪われているのではないでしょうか
豊明市のスマホ条例は、義務も罰則もない理念条例であるので、市民に選択の自由を残しています。その上で、デジタル化社会の中で、人々が見えない何者かに奪われている真の自由、主体的で責任の伴う自由を回復するために、一石を投じているのかもしれません。
2025.10.01
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