米不足により、全国各地のスーパーなどから米が消え、価格が高騰する事態が続いてきました。ようやく、新米が出回り始めましたが、価格は高い水準に張り付いたままのようです。
今回の米不足の原因として、昨年の猛暑による生育不良で流通量が減少したこと、コロナ後の外食・インバウンド消費の回復により需要が増えたこと、災害を意識した備蓄意識が高まったことなどがあげられています。
中でも、「南海トラフ地震臨時情報」や各地に豪雨被害などをもたらした「台風10号」などの災害のニュースや米不足のニュースが連日報じられたことが消費者の不安を加速させ、買い占めに走る人が増えたことが大きかったのではないでしょうか。
「令和の米騒動」と騒がれるほど、消費者に主食である米が届きにくくなっているにもかかわらず、農林水産省は備蓄米をまったく放出しようとはしませんでした。農林水産省は、一部の業界の利益代弁者なのか、国民の食料安全保障を守る役割を果たすのか、国の根幹に関わる問題を問い質されているのではないでしょうか。
食料は、人が生きていくうえで最も大事な生活資源です。より多くの食料が自国で生産され、国民の隅々まで安定的に行き渡るような流通の仕組みがないと、社会不安を引き起こしかねません。
この米騒動をきっかけにして、我々一人一人が、「食」の大切さを再認識して、国民のための新しい時代の食料安全保障制度を確立できるよう、政治や行政を監視していく必要があるのではないでしょうか。
2024.10.01
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