今年は全国各地でかなり遅い梅雨入りとなりました。梅雨の風物詩と言えば「カタツムリ」を思い浮かべる人が多いと思います。
人気者のカタツムリに対して、殻がないこと以外はカタツムリに似ているのに、なぜか嫌われ者なのが「ナメクジ」です。
梅雨の時季になるとナメクジも活発に活動して、花壇や畑の植物を食い荒らし、おまけに粘液まみれの体を露わにしているのが嫌われる理由になっているのでしょうか。
カタツムリが進化の過程で殻を退化させてナメクジになったといわれています。外敵や乾燥から身を守るための殻を捨てて、狭い隙間に入り込む身軽さと殻を維持するためのエネルギーを使わずに済む省エネを生存戦略として選んだのでしょう。
我々は、進化というと何かを獲得していくイメージを持ちがちですが、生存上有利であれば、ある器官を退化させることも進化の一形態のようです。 ある能力を保持するためのデメリットがメリットよりも大きくなるとその能力は低下していくのが、生物の世界でもビジネスの世界でも共通することなのでしょう。
ところが多くの経営者は、一度手に入れたものは、そのデメリットを正しく評価できずに、手放すべきものでも手放せなくなってしまうジレンマに陥ってしまうのでしょう。
企業が環境変化に適応し生き残っていくためには、「手放すもの」「残すもの」「加えるもの」を選択し、自ら変化し続ける必要があるのではないでしょうか。
2024.07.01
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