松下幸之助の名著『道をひらく』の中に、「雨が降れば傘をさそう。傘がなければ、一度はぬれるのもしかたがない。ただ、雨があがるのを待って、二度と再び雨にぬれない用意だけは心がけたい。雨の傘、仕事の傘、人生の傘、いずれにしても傘は大事なものである」とあります。
「雨が降れば傘をさす」一見、当たり前すぎて、なんの驚きもない言葉に思えますが、人が生きていくにおいてとても大切な真理を含んでいるような気がします。
素直な心で現実をあるがまま受けとめること、その時々の状況に臨み自然なあり姿で理にかなった対応をすること、当たり前のことを積み重ねること、そして、日ごろから事に備えて準備をすること・・・。
このような、よりよく生きるために大切な道理を松下幸之助は「雨が降れば傘をさす」という言葉に込められたのではないでしょうか。
我々は、ともすれば、現実を自己都合の色眼鏡で見て、損得や好き嫌いを基準に、場当たり的な行動を繰り返してしまうことが、往々にしてあるのではないでしょうか。
絶えず変化する現実をあるがままに受けとめ、臨機応変に正しく対応するためには、必要な準備を怠らず、慌てず騒がず事に処する冷静な姿勢が求められるのでしょう。
梅雨の時期を迎えるにあたり、心の備えの大切さを考えさせられる今日この頃です。
2024.06.01
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