4月1日はエイプリルフールです。年に一度この日だけは、ウソをついてもいいとされています。とはいっても、人を楽しませるジョークの範囲に限り許されるのでしょう。

　ウソは、多くの場合、人をだましたり、自分の悪事を隠したり、自分の失敗をごまかしたりするのに使われます。だから、人間社会においては、道徳上ウソをついてはいけないとされています。しかし、残念ながら、ウソを全くつかない人間なんて現実には存在しないでしょう。

　「ウソも方便」ということわざがあります。「物事を円滑に運ぶためには、時としてウソも許される」という意味でよく使われます。人を害するウソ、自分の良心を損なうウソはつくべきではないでしょう。しかし、人を救うため、人を傷つけないために大きな善の手段としてのウソは、時と場合により許されるのかもしれません。ウソをつくことの善悪判断は、人間にとって永遠の哲学的テーマなのでしょう。

　絶えず道徳で縛られ不自由な我々人間が、せめて一日だけでもウソをつけるようもうけられたのがエイプリルフールなのかもしれません。つくにしても、良心とユーモアにあふれた皆が楽しめるウソにしたいものです。

２０２４.０４.０１