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【ゴルバチョフ元ソ連大統領死去】

 ゴルバチョフ元ソ連大統領が去る830日に死去しました。91歳でした。

 ペレストロイカ・グラスノスチ政策による国内の自由化民主化を進め、東西冷戦を終結させ、1989年にベルリンの壁を崩壊に導き、1990年に東西ドイツ統合を実現した最大の立役者となり、同年にノーベル平和賞を受賞しました。しかし、その改革が結果的に91年にソ連の崩壊につながり、自らの政治的地位も失うこととなりました。

 それから30余年を経た現在、「ソ連崩壊は20世紀最大の地政学的悲劇」と主張するプーチン大統領が率いるロシアが、今年2月にウクライナ侵攻しました。武力による現状変更に挑み、核兵器の使用までちらつかせ、西側諸国との間でかつてない対立を招き、国際秩序は深刻な危機に陥っています。

 多くの社会インフラが破壊され、数万人規模の死傷者を出し、国外避難民は1,400万人を超え、停戦の見通しも見いだせない状況です。

 ゴルバチョフ氏の言葉に「平和とは似た者が団結することではない、異なった者が違いを認め合って団結することだ」とあります。

 世界を冷戦の危機から救い平和に導いた同氏の残した言葉に改めて耳を傾け、全人類がウクライナで起きている悲劇に目を背けることなく、主義主張の相異・立場の相異を乗り越えて、平和共存していくための叡知を結集することが希求されているのではないでしょうか

2022.11.01

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