去る7月8日に、安倍晋三元首相が、参院選の街頭演説中に銃で撃たれて死去しました。67歳でした。首相経験者が銃撃され殺害されるという戦後例がない事件に、日本中が震撼しました。

　安倍氏は2006〜07年と12〜20年の2度にわたり首相を務め、通算の在任日数は3,188日で憲政史上最長を記録しました。その間に、多くの政策を実行しました。

　経済では、金融緩和、財政出動、成長戦略の3本の矢からなる経済政策「アベノミクス」に尽力しました。財政では、在任中に2度の消費税増税を実施しました。安全保障では、集団的自衛権を行使できるように憲法解釈を変更し、安全保障関連法を成立させました。外交では、地球儀を俯瞰する外交という理念を掲げて、積極的な外交を展開しました。

　いづれの政策も賛美両論ある中で、信念をもって果敢に断行していく政治姿勢には、強いリーダーシップを感じられました。本当の評価は、残された我々が、歴史の流れの中で、冷静に客観的に行い、それを糧にして、さらなる国の発展につなげる責務を背負うのでしょう。

　また、近年、頻発し、ますます過激化するこのような理不尽極まりない殺害事件がなくなるよう、この痛ましい事件が、我々が目指すべき社会の在り方を、国民一人一人が考えるきっかけになることを切に願います。

２０２２.０８.０１