国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、紛争などで住む家を追われた世界の難民や国内避難民の数が、5月に史上初めて1億人を超えたようです。特に2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻によってその人数が急増したようです。
日本の総人口に迫る人数の人々が生活の基盤を破壊されて難民・避難民になっていると思うと、その問題の深刻さが伝わってきます。
本人の意思に関係なく、たまたま平和で豊かな社会に身を置いているのか、たまたま過酷な紛争地や被災地に身を置いているのか、ほんの偶然の差で天と地ほどの境遇の違いを生み出す理不尽な現実を見せつけられると、身の毛がよだつ思いです。
あまりにも変化の激しい今の時代においては、いつ自分がどんな境遇に陥るのか誰もわからないでしょう。そんな中でも、たまたま恵まれた境遇の人間が、たまたま過酷な境遇の人間に慈愛の手を差し伸べる。そんな行動が特段意識せずに行える、また、困難な境遇に直面しても、希望をもって前向きに生きていく、そんな共助と自助の精神に満ちた社会が世界中で実現できることを、心から願う今日この頃です。
2022.07.01
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