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【プロパガンダ】

 ロシアがウクライナに侵攻して早一月が経ちました。ロシア国内では、「ウクライナのナチス政権が、ロシア系住民の大量虐殺を企てている」「ウクライナが生物兵器を開発している」などと、偽情報を国営放送やSNSで流布するプロパガンダにより、自らの戦争行為を正当化し、国民の支持率を上げているようです。

 古今東西、いつの時代も、どの国でも、時の権力者が、プロパガンダにより、一般大衆に自分の都合のよい情報を信じ込ませて、支配を容易にしようとするのは、世の常なのでしょう。

 人間は、一旦信じたことを否定されることに対して過剰なまでの抵抗を示す習性があるようです。しかし、我々が信じて疑わない常識でも、ある特定の勢力によるプロパガンダに多大な影響を受けたものかも知れないのです。

 事実が一つでも、その捉え方は十人十色ですので、意見が異なることの方が普通であり健全なはずです。にもかかわらず、多くの人が疑いもなく同じ意見をもつとしたら、そんな時ほど、プロパガンダによる思想感化があるのではと疑うべきなのではないでしょうか。

 真実を隠され誤った情報に基づき大衆が一つの方向に向かうとき、それが反社会的なものであってもブレーキが利かなくなることは、人類が歴史の中で幾度となく経験してきたはずです。

 我々は、常識を疑い、異なる意見に対して常に謙虚に耳を傾ける姿勢を持つことにより、プロパガンダを見抜き、固定観念先入観を乗り越えてはじめて、真の言論自由を得ることができるのではないでしょうか。

2022.04.01

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