「自助論」で有名なサミュエル・スマイルズの言葉に「思いの種を蒔き、行動を刈り取り、行動の種を蒔いて習慣を刈り取る。習慣の種を蒔き、人格を刈り取り、人格の種を蒔いて人生を刈り取る」とあります。
広く多くの先人たちが、人生を豊かにするために、良い習慣を身につけることの大切さを語ってきていますが、我々は、真に意識的に良い習慣を身につける努力が出来ているのでしょうか。
感情にとらわれ利己的な思いで反応的な言動を繰り返し、それが習慣となり、自らの人格をおとしめ、周囲の尊敬を集めることも出来ずに、苦悩の人生を送る。誰しもそのような悪循環に陥る可能性があるのではないでしょうか。しかも、他人のことなら、すぐに気づくのでしょうが、自分のことになると気づけなくなるのが人間の性なのでしょう。
企業経営においても、経営者は、企業の理念・方向性を正しく思い、自らの責務を果たすべく正しい行動を積み重ね、それを良き習慣とし、周囲の人望を集めて、多くの協力者を得てはじめて、企業を永続的な発展に導くことが可能となるのではないでしょうか。
混迷を深める複雑な現代社会においては、思いも揺れやすく、良い習慣を続けることはたやすくないのかもしれませんが、時折、先人の言葉に真摯に耳を傾けて認識を新たにし、日々、意識的に良い習慣の種を蒔き続けたいものです。
2021.08.01
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