桜の季節になりました。各地で記録的に早い開花となっていますが、広い範囲で春の嵐に見舞われているようです。
「花発いて風雨多し。」ということわざがあります。「良いことには邪魔が入りやすく、物事は思うようにはならない。」という意味で使われます。
人間は、せっかく咲いた桜の花が嵐に見舞われると残念に思いますが、当の桜の花は、雨が降ろうが風が吹こうが、ただただ、その瞬間の命を全うするだけなのでしょう。嵐で散りゆく花もあれば嵐の中咲き続ける花もありますが、いずれは咲き終わり、次の年になれば、昨年の嵐などなかったように、また沢山の花を咲かせます。
桜は雨であれ風であれ環境の変化をあるがままに受け入れて、咲くタイミングにも散るタイミングにも執着せずに、全て天命に任せているように思えます。一方で、人間は桜のその潔さに憧れを抱きながら、自らは、勝手な期待に執着して、一喜一憂を繰り返しているような気がしてなりません。
昨今のように変化の激しい時代であるからこそ、その変化に一喜一憂することなく、変化の中の今を力強く生き抜けるようになりたいと、桜を見て思う今日この頃です。
2021.04.01
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