Business Forum Kobe 21
トップページ >月刊コラム >【企業存続に必要な利益】

【企業存続に必要な利益】

 ドラッカーの言葉に「企業にとって第一の責任は、存続することである。」「未来のリスクを賄うための利益、事業の存続を可能とし、富を生み出す資源の能力を維持するための最低限度の利益をあげることは、企業にとって絶対の条件である。」とあります。

 不確実性が増し、混迷の度合いを深める経済社会の中で、企業を存続させることが益々困難な時代になっています。特に新型コロナウィルス感染症のパンデミックが企業環境に様々なインパクトを与え、経営者に多くの難題を突きつけています。

 自社存続にどの位の利益必要になるのか理解できている中小企業の経営者は、はたしてどれだけいるのでしょうか。不測の損失に対する備えに必要な利益をはじめ、従業員の昇給労働環境の整備、設備更新、新たな設備投資新製品・サービスの開発、新市場の開拓、新事業の開発に必要な利益等々、企業存続に必要な利益は経営者が想像している以上に多額になることが往々にしてあるような気がします。

 今般施策されている緊急融資や各種の補助金・助成金等の支援策は、時間稼ぎにはなっても、根本的な解決策にはなりません。経営者は、社会的責任を果たすために、時間稼ぎができる間に、自社の存続必要利益について改めて真摯に見つめ直し、それを確保していくため環境変化に対応する事業構造の再構築を図ることを迫られているのではないでしょうか。

2021.03.01

月刊コラムのトップページへ
トップページへ
Copyright (c) 2006 Business Forum Kobe21 All Rights Reserved.