松下幸之助の言葉に、「嵐のときほど、協力が尊ばれるときはない。うろたえては、この協力がこわされる。だから、(船が)揺れることを恐れるよりも、協力がこわされることを恐れたほうがいい。人生は運不運の背中合わせといえる。いつ突如として、嵐がおとずれるかだれしも予期することはできない。つねに自分のまわりを冷静にながめ、それぞれの心がまえを、しっかり確かめておきたいものである。」とあります。今まさに人類が直面している問題を言い表している言葉に思えます。
地震、風水害、パンデミック、紛争、飢饉、経済危機、等々の災厄は、突如として人類に襲いかかり、人々を恐怖のどん底に陥れます。
人間は恐怖に支配されると、理性を失い、衝動的な行動に走ったり、自暴自棄になることがあります。そうなれば、災厄が与えた損害とはまた別の次元の大きな社会問題を引き起しかねません。
突如として襲いかかる災厄を人類が未然に防ぐことができない以上、まずは、起きた現実を冷静に受けとめ、損害を最小限にとどめて、被害を回復させることに努めるべきでしょう。
そのためには恐怖と分断を乗り越え、人々が助け合い協力し合って嵐に立ち向かうことが必要になるでしょう。一人では全く無力な人間が幾多の危機を乗り越え高度な文明社会を創り繁栄してこられたのは、まさに「協力」の賜物と言えるでしょうから。
丑年の新年にあたり、嵐の中でも、焦らず慌てず冷静に、様々な人達と協力しながら一歩一歩着実に、前へ歩み続けたいと願う今日この頃です。
2021.01.01
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