新型コロナウィルスの感染拡大の影響により売上が大幅に減少した事業者を救済するために、「持続化給付金」、「家賃支援給付金」、「危機対応融資」、「セーフティーネット保証」、「納税猶予」、「固定資産税の減免」、「雇用調整助成金」、等々、様々な支援策が施策されています。
このような施策には適用基準を設ける必要がありますが、それらの基準を見るにつけ、公平なルール設定の難しさを痛感させられます。
持続化給付金を例にとりますと、ある一月の売上が50%以上減少していることが要件となっています。法人の場合、200万円を上限として前年比較で売上の減少見込額が給付されます。
50%減少していれば最大200万円もらえますが、49%の減少だと1円ももらえません。売上が50%減少しても赤字にならない事業者もあれば、10%の減少で赤字に陥る事業者もあります。たまたまある一月だけ売上が50%以上減少した事業者もあれば、売上の激減が常態化している事業者もあります。200万円もらえれば前年より所得が増える事業者もあれば、200万円もらっても焼け石に水の事業者もあります。
こう見ると、個々の事業者の実情に対応した給付金であるとはとても思えませんが、新型コロナで緊急な支援が必要な事業者が溢れている現状において、厳格な公平さよりスピードが求められるのも一定程度理解ができます。
何十年に一度といわれるような災厄がこう頻繁に起こると、事業を継続させることの困難さもどんどん増してきます。広く衆知を集めて、IT技術を駆使して、より公平でよりスピーディーなセーフティネットを構築することが、共存共栄できる社会のために、益々必要となるのではないでしょうか。
2020.08.01
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