政府は去る4月7日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、7都府県に緊急事態宣言を出しました。さらに、16日には、緊急事態宣言の対象を全国に拡大しました。
安倍首相は7日の緊急事態宣言の冒頭発言の中で「私たちが最も恐れるべきは、恐れそれ自体である。」と述べました。世界恐慌のさなかに米国のルーズベルト大統領が就任演説で同様の言葉を述べましたが、あらゆる危機の本質を言い表した言葉ではないでしょうか。
新型コロナウイルス自体は、早晩、科学の力で対処できるでしょう。しかし、ウイルスを恐れるあまり理性を失い、正しい行動ができなくなれば、事態の収束を遅らせるばかりか、偏見や差別や憎悪、あるいは経済危機から全く別の次元の社会問題を引き起こす恐れがあります。
一人一人が、正しい情報・正しい判断により、過度に恐れず冷静沈着に正しい行動をとることが、危機を乗り越えるために最も重要なことではないでしょうか。
そして、感染を防止するために密閉・密集・密接を避け、人と人との距離(ソーシャルディスタンス)を確保しながらも、人と人との信頼関係はより緊密にしていくことが、コロナ後の社会をより明るいものにしていくために必要となるのではないでしょうか。
2020.05.01
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