新型コロナウイルスの感染拡大が収束しない中、マスクが買い占めにより店頭から消え、マスクを本来必要とする人たちに届かない状況下で、インターネット上では定価の10倍以上の高額な価格で転売されるケースが相次いでいるようです。
人の弱みや不安につけ込んで金儲けをし、それを需要と供給の関係で決まる自由主義経済であると正当化する拝金主義の輩が増えていることに懸念を禁じえません。インターネットの爆発的普及により、商品の転売が、誰でもどこででも簡単にでき、拡散されやすくなっていることも背景にあるのでしょう。
新型ウイルスの感染拡大という非常事態において、マスクを買い占めることは、本当にマスクの必要な人から自由な取引の権利を奪う行為であり、それを高額で転売することは、需給バランスを崩壊させた結果の不当な価格で買手から搾取する行為であり、とても公正な取引であるとは言えないのではないでしょうか。
日本資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一の言葉に、「富をなす根源は何かといえば、仁義道徳です。正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することはできません。」とあります。
日本人が大切にしてきた道徳観に基づいた自由で公正な経済活動が当り前に行われる社会が実現することを願ってやみません。
2020.03.01
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