松下幸之助の言葉に、「身なりは鏡で正せるとしても、心のゆがみまでも映し出しはしない。だから、人はとかく、自分の考えやふるまいの誤りが自覚しにくい。けれど求める心、謙虚な心さえあれば、心の鏡は随処にある。自分の周囲にある物、いる人、これすべて、わが心の反映である。わが心の鏡である。すべての物がわが心を映し、すべての人が、わが心につながっているのである。」とあります。
人は、年齢やキャリアを積めば積むほど、指導・注意してくれる人も少なくなり、自分を過信し、客観的な自己評価ができなくなっていきます。そうなれば、誤った言動も修正されないまま、周囲の信用を失っていくことになるでしょう。
また近年は、インターネットやSNSの普及で、自分を虚飾したり、攻撃性を強めたり、他人の言動・承認・反応に振り回されたりすることが増え、自己を見失いやすくなっているような気がします。
情報が氾濫し、人間関係も難しくなった現代のストレス社会において、自分を見失わずに、心豊かに生きていくためには、松下幸之助が語っているように、謙虚で素直な心をもって、周囲の物や人に対して自分が直接的・間接的に大なり小なりの影響を及ぼしていることを自覚し、そこに投影された自分の姿を正しく認識し、絶えず姿勢を正していくことが大切なのではないでしょうか。
新年にあたり、謙虚さをもって心の鏡に映る自分の姿を正しく見つめて、心新たに一年の計を立てたいと思う今日この頃です。
2020.01.01
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