京都アニメーションのスタジオが男に放火され、35人もの尊い命が奪われる痛ましい事件が起こりました。その凶器が私たちの身近にあるガソリンだったことにも衝撃が広がっています。
一方的な思い込みで憎悪を募らせて、無差別に他人に危害を加える凶行は、テロ行為と類似するともいえるでしょう。近年は日本でも、この事件のように、ガソリンや自動車や刃物など身近なものを凶器として、身勝手な動機で誰彼なしに傷つける異常な事件が増えているようです。
不条理な感情をコントロールできずに暴発させて犯罪にいたる事件の背景には、社会・経済の急速な構造変化の中、経済格差、将来不安、社会的孤立、複雑な人間関係、等々に起因する「生きづらさ」を感じやすい社会になっていることがあるのでしょうか。
この生きづらさは、大きな事件にならずとも、社会の至るところで大小様々なトラブルの原因になっているような気がします。
生きづらい社会の中にあっても、理性的に自分の感情を受けとめコントロールし、自己を幸福に導くことが、我々一人一人が果たすべき平和な社会への責任といえるのかもしれません。
2019.08.01
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