政府は、2018年度の「食料・農業・農村白書」で、18年の自然災害による農林水産関係の被害額が5,679億円に上るとの試算を示しました。異常気象に伴う災害が増え、被害額も拡大傾向にあるようです。18年に発生した災害では、西日本豪雨による被害が3307億円と最も大きかったようです。
食生活の基礎でもある農産物に甚大な被害が及べば、経済面でも健康面でも国民生活に多大な悪影響を及ぼすでしょう。また、我が国の農業は零細事業者が多く、災害による打撃を受けやすく回復も困難な厳しい現実があります。
農業はもとより、事業経営においては、一旦、災害にみまわれると損害の規模が膨大なものになりやすく、事業の存続を危うくしかねません。集中豪雨のよう局所的な災害は予測も困難で、その準備や対策も容易ではないでしょう。
しかし、異常気象を異常と言えるうちに、防災・減災・環境変化適応力を強化するため、頻発する災害をイノベーションの機会として、災害に強い環境変化に強い事業基盤を作り、経営の継続性を強化していくことが経営者には求められるのでしょう。そして、それが、物やサービスの安定供給、従業員の安定雇用などの事業者としての社会的使命を果たしていくことにつながるのではないでしょうか。
2019.06.01
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