飽食の時代と呼ばれる現代において、先進国のみならず、新興国においても、低所得層のほうが肥満者の割合が高い傾向にあるといわれています。
炭水化物を中心とした高カロリーの食品が安価に手に入るようになったことで、低所得層の肥満割合が高まった一方で、高所得層の人々は、低カロリーで健康を意識した食品の購入やダイエットにお金をかけられることが、所得と体重の逆相関関係を生んでいるように思われます。
このことは、食品の、満腹のための生産効率が上がっても、健康のための利用効率は低下していることを示しているのではないでしょうか。
また、日本だけでも年間650万トンの食品ロスがあるといわれていますが、摂取段階においても、廃棄段階においても、多くの食品が無駄に扱われているといえるのかもしれません。
その一方で、後進国では、飢えに苦しむ人々が何億人もいる現実があることを思うと、全世界で生産される食品が、全世界の人々の健康のために、より効率的にシェアすることができる枠組みを構築し、食品の生産性向上以上に、地球規模での利用効率を向上させ、全人類の健康と幸福につなげる努力をすることが、飽食の世に生きる我々の責務といえるのではないでしょうか。
2018.10.01
|