Business Forum Kobe 21
トップページ >月刊コラム >過ちを観ればここに仁を知る

【過ちを観ればここに仁を知る】

 アメリカンフットボールの日本大学と関西学院大学の定期戦で、日大選手が関学大の選手に悪質な反則タックルをして負傷させた問題が世間を騒がせています。

 反則タックルをした宮川選手とそれを指示したとされる内田前監督及び井上前コーチとで全く対照的な対応をとったことが、同じ加害者側の人間でありながら、一方は大きな共感を呼び、もう一方は強い反感を生みました。

 宮川選手は、チームや大学の後ろ盾のない状況で、勇気を出して謝罪会見に臨み、自己弁護することなく誠意をもって事実関係を説明し、選手生命を失う覚悟で自己の責任を語りました。

 その翌日に、世論のバッシングに押させる形で記者会見した内田前監督と井上前コーチは、曖昧な言葉で自身の指示を否定し、周囲のさらなる反感を買う羽目になりました。

 その後、関東学生アメフト連盟は、内田前監督と井上前コーチを除名処分と決めました。一方、宮川選手と日大アメフト部には、今シーズンの公式戦出場停止としながらも、反省文を提出するなど一定の条件を満たした場合、処分は解除されるようです。

 論語の言葉に「人の過つや各々その党においてす。過ちを観ればここにを知る。」とあります。「人が過ちを犯すときは、その人らしい過ちを犯す。過ちを観れば、その人に人徳があるかどうかを知ることができる。」という意味です。

 同じ過ちを犯しても、勇気覚悟をもって自らの過ちを認め、誠実責任をとる者と、自己弁護責任転嫁を繰り返す者とでは、全く違う結果になることを、上に立つ者ほど、肝に銘じなければならないのではないでしょうか。

2018.06.01

月刊コラムのトップページへ
トップページへ
Copyright (c) 2006 Business Forum Kobe21 All Rights Reserved.