米国のトランプ大統領が、側近を次々と解任しています。自分と意見が合わない人間を片っ端から遠ざけている姿をみせつけられると、世界情勢に多大な影響を与える世界のリーダーが裸の王様になってしまえば、世界に暗い影を落とすのではないかと心配になります。
韓非子の言葉に「至言(しげん)は耳に忤(さから)いて心に倒す。賢聖にあらざれば、よく聴くことなし。」とあります。「正しい意見ほど、耳に痛く、腹立たしいものである。聖人君子でなければ、聞き入れることはできない。」と言う意味です。
正しい意見は、時として自分に都合の悪いこともあります。また、先入観が邪魔をして、正しい意見が間違っているように思えることもあります。耳に痛い意見でも、いったん受け入れ、自分でしっかり咀嚼して、冷静に判断できてこそ、真実を見失わず、よりよいアイディアを採用することができるのではないでしょうか。
企業経営においても、経営者の周りに自分に迎合するイエスマンしか残らない状況になれば、正確な情報も優れたアイディアもでてこなくなり、イノベーションから遠ざかり、衰退の一途をたどるようになるのでしょう。
耳に痛い意見を聞けるかどうかが、真のリーダーになれるかどうかの分かれ目になるともいえるのではないでしょうか。
2018.04.01
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