2017年「今年の漢字」の1位に「北」が選ばれました。北朝鮮による度重なるミサイル発射や核実験の強行が国際社会に脅威と不安を与えた年になったことが、選ばれた理由で最も多かったようです。
「北」という字には、「そむく」という意味もありますが、人と人が背を向けている象形からこの漢字が成り立ったといわれています。
国家間・部族間・宗教間で、対話に背を向け、誹謗中傷・圧力・暴力が繰り広げられたり、政治家が国民に背を向け、議席や利権のために暗躍したり、企業が顧客に背を向け、不正を繰り返したり、人が生身の人間に背を向け、SNSや仮想現実に埋没したり、世界のいたるところで、人と人とが背を向けている状況が蔓延しているのではないでしょうか。
人は人とのつながりなくして、生きていくことはできません。お互いの立場や価値観の違いを重大な問題に仕立て上げるより、違いを乗り越え共存するために粘り強い対話を積み重ねることの方が必要なのではないでしょうか。
社会のデジタル化が進み、コミュニケーションが希薄化していく現代において、人と人とが真摯に向き合い対話することの重要性を再認識させられる今日この頃です。
2018.01.01
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