去る9月28日に、臨時国会の冒頭で、衆議院が解散されました。安倍首相は、「国難突破解散」と説明していますが、大義のない「今なら勝てる解散」とのそしりを免れないでしょう。
これを受けて、人気が低迷している民進党は、事実上解党して、小池都知事率いる新党、希望の党に合流する方針を発表しました。与野党共に選挙に勝つためだけに策を弄する姿を見ると、勝ち負けよりも大切なことを見失う危うさを憂慮せざるをえません。
企業経営においても、目先の利益や勝ち負けだけにこだわり、顧客や従業員や取引先との長期的な信頼関係を軽視すれば、社会・経済がその企業の存続を許さないことは、過去の数々の企業不祥事を見れば明らかでしょう。
政治において、議席は手段であって、目的は国民の幸福にあるといえるでしょうし、事業において、利益は手段であって、目的は顧客の満足にあるといえるでしょう。
ポピュリズムが台頭し、手段と目的が倒錯した世の中を漂流している現実を乗り越えるためには、長期的な視野に立って、勝ち負けよりも大切な「普遍的な価値」を、われわれ一人一人が求め続ける必要があるのではないでしょうか。
2017.10.01
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