去る7月18日、聖路加国際病院名誉院長の日野原重明先生が105歳でご逝去されました。民間で初めて人間ドックを開設し、「生活習慣病」という言葉をつくり、予防医療や終末期医療の普及に尽くし、100歳を超えても現役医師を続け、生涯現役を貫き通されました。
また、子どもたちに命の大切さを伝えるために、全国の小中学校で「いのちの授業」を開催したり、命の循環を描いた絵本の「葉っぱのフレディ」をミュージカル化したり、医療以外の活動にも力を入れられました。
日航機よど号ハイジャック事件に遭遇し解放されたときの事を「これからの人生は与えられたものだ。誰かのために使うべきだと感じました。」と述懐されています。その後の人生を、その言葉の通りに生きられたのではないでしょうか。
日野原先生の残された言葉の中に、「自分の命がなくなるということは、自分の命を他の人の命の中に残していくことである。自分に与えられた命を、より大きな命の中に溶け込ませて生きていくことこそ、私たちが生きる究極の目的であり、永遠の命につながることだと思う。」とあります。
世のため人のために命を全うすることで、自らの命に輝きを与え、次の世代に命のバトンをつなぎ続けることが、日野原先生が言う「永遠の命」なのではないでしょうか。
2017.08.01
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