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【春植えざれば秋実らず】

 「春植えざれば秋実らず。」と言う諺があります。「種をまかなければ収穫が得られないように、原因がないのに結果が生じることはない。良い結果を得るためには相応な努力が必要である。」と言う意味です。

 まさに企業経営にも当てはまる言葉ではないでしょうか。教育の種をまかなければ、人は育ちません。商品開発の種をまかなければ、お客様ニーズに合った販売はできません。設備投資の種をまかなければ、生産的に製品を製造することはできません。事業計画資金計画の種をまかなければ、必要資金を調達することはできません。

 また、種をまくタイミングも大切です。秋に稲を収穫するためには、春に種をまく必要があり、冬や夏にまいたのでは、収穫はできません。教育の種も退職直前にまいても意味がありません。いくら良い商品を開発しても、時流に合っていなければ、需要をつかむことはできません。仕入価格が高騰している時に仕入れても、利益は得られません。このように、正しい計画、正しい準備、正しいタイミングをまかなければ、事業の成果を刈り取ることはできないでしょう。

 事業が一旦軌道に乗れば、経営者はそれが永遠に続くものと錯覚してしまいます。しかし、成功にあぐらをかけば、事業は加速度的に衰退していきます。経営環境変化に応じて、絶えず新しい種をまき続けることが経営者の最も重要な仕事と言えるのではないでしょうか。

2017.03.01

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