去る5月27日に、オバマ米大統領が現職の米国大統領として初めて被爆地・広島を訪れ、核兵器の廃絶と平和の尊さを訴えました。幾多の障害を乗り越え、核なき世界へ向けて勇気ある行動ではないでしょうか。
オバマ氏は演説の中で「科学の進歩に見合うだけ人間社会に進歩がなければ破滅が訪れる。科学の進化と同様、道徳の進化も求められている。」「核保有国は、恐怖の理論から逃れ、核兵器のない世界を目指す勇気を持たなければならない。私の生きているうちには、この目標を達成することはできないかもしれない。しかし、たゆまぬ努力により惨劇の可能性を後退させることはできる。」と語りました。
人類を幸福にするための科学が人類の存続を危うくするほどの殺戮兵器を生み出し、世界が恐怖に支配され、破滅に向かっているのは、科学の進化に道徳の進化がついていっていないからではないかと問題提起をしています。
また、核兵器廃絶という理想には、あまりにも多くの困難が立ちふさがっているため、自分の生きているうちは無理かも知れないと現実的な認識をした上で、理想に向かうたゆまない努力を訴えています。
人間は、高い理想や正しい目標がなければ、易きに流れて道を誤ってしまうことがよくあります。核兵器廃絶に限らず、よりよい社会のために、我々一人一人が、より道徳性を高め、勇気をもって行動し、努力邁進することの大切さを、再認識させられたような気がします。
2016.06.01
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