日銀がマイナス金利政策を導入しました。当面は、金融機関が日銀に預けている当座預金の一部にのみマイナス金利が適用されるようですが、その行く末を楽観できるのでしょうか。
そもそも金利とは、資金の出し手が受け手から受け取る利益で、物価変動等の経済要因や受け手の信用度合い等々によりその利率が決定されます。正常な経済の下では、正常な金利が発生するのは理解に難くないでしょう。
その金利がマイナスになるということは、預金や貸付金にペナルティを科し、債務者に資金の一部を没収されることを意味します。そうなれば、大量の資金が地下経済や海外等に流れてしまう恐れも出てきます。
預金金利や貸出金利が直ちにマイナスになることは、現実的に考えにくいのでしょうが、金融政策の限界とリスクが垣間見えるような気がしてなりません。
物価上昇目標を何が何でも達成するために劇薬を投入し続けることが、本当に正しい方法なのでしょうか。日銀の金融政策は誰のために行われているのか、日本経済のあるべき姿はどのようなものか等々、国民一人一人が、これまで以上に真剣に考える必要があるのではないでしょうか。
2016.03.01
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