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【廃棄食品転売】

 廃棄処分されたはずの食品が闇ルートを流通して消費者に販売されるという安全を揺るがす事件が世間を賑わせています。

 廃棄物処理業者ダイコーが、CoCo壱番屋の廃棄カツを製麺業者みのりフーズに横流ししていた事が発覚したことを皮切りに、みのりフーズの倉庫からは、イオン、セブンイレブン、ローソン、ニチレイ、マルコメ等々、大手流通企業や大手メーカーの廃棄食品も数多く発見されています。

 問題の背景にいくつかの要因が指摘されています。まず、廃棄処理責任が曖昧で、適切に処分されたか追跡できない制度不備が指摘されています。また、食品の価格競争が激しく、安全性より価格が優先される結果、不正な流通が横行している現状も指摘されています。さらに、本来食べられるのに年間数百万トンも廃棄される食品ロスの問題も指摘されています。

 特に食品ロスの問題は、もったいないを美徳とする日本において、有効利用の仕組みを流通システムに組み込む工夫をすることで、食品の不正流通の防止のみならず、国内の貧困問題の解消飢餓で苦しむ途上国の支援にも役立て得るのではないでしょうか。

 そして、人目につかないところで不正利益を求める経営者が横行していることも看過できないでしょう。

 安心安全安定した効率のよい食品流通を実現するため、今後ますます、企業モラル使命感が、社会から強く求められるのではないでしょうか。

2016.02.01

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